確かに、パラリンピックを知る人は増えた。でもまだまだ「なんだ?」の枠の中だ。一日も早く「これがパラリンピックなんだ!」と思ってもらえるよう、頑張る「コラムなんだ」。
『アナと雪の女王』を見た人も多いだろう。私も見に行き、松たか子さんの歌声に感動した。ストーリーはシンプルだが、あの歌にグイグイと引き寄せられた。「ありのままで」、世界中の人がこの言葉に勇気をもらったはずだ。
自分のままでいいんだ、他人を気にしなくていいんだ、見栄を張らなくていいんだ。「ありのままで」……まさに、障がい者アスリートにとって勇気百倍の応援歌じゃないだろうか。
夏の競技のウエアは体を露出する。水泳などは
水着1枚だ。ありのままの自分をさらけ出すために、スポーツを始めた当初は戸惑った人もいたかもしれない、あるいはそれがネックでなかなかスポーツを始められない人もいるかもしれない。
でも、一度それを乗り越え一人の「アスリート」となった瞬間、彼らはとてつもなく強くなる。なぜなら、体を見せるのではなく競技というパフォーマンスを見せる人になるからだ。結果にこだわり、常に上を目指す挑戦者となるからだ。
それでも、まだ「彼らを人前に出すのはかわいそうだ」と思う人はいる。以前のパラリンピックの管轄であった厚労省の人にもそういう人がいた、とある選手から聞いた。しかしその選手は言う。「見られると分かっていて、僕らはパラリンピックに出ているんです。むしろ、純粋にスポーツとして多くの人に見てほしい」と。
もちろん、見られることが嫌な身体障がい者もいるだろう。一方、人前に出るのが嫌だ、人と話すのは苦手という健常者だって大勢いる。障がい者も健常者もない。本当に人はさまざまだ。要は、「その人」の気持ちをきちんとくんであげられるかどうか。
そもそも、健常者とか障がい者という表現がおかしい。せめて2020年を機にやめてはどうか。みんな、生涯者だ。人生をまっとうする生涯者なのだ。人は誰でも将来、「障がい者」になる。足腰は弱り、目も悪くなる。
「ありのまま」をきちんと受け入れられる日本人になりたいものだ。
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